7月21日(水)19:00~ 第2回例会(Zoom)が11名の参加で開催されました。
講師:坂部まり子 氏
一般社団法人 今ここ
障害者就労継続支援事業所MIRAI.代表
<坂部氏講演概要>
・起業に至るまでの自身の経験・家族の状況と、現在の事業内容の紹介
・自立支援施設の分類について(A型は時給契約・B型は各自のペースに合わせた勤務)
・引きこもり等の事例と、障害年金やグループホーム等アクセス可能な福祉制度の紹介
・自分の特性を把握し、自分を認め受け入れることの大切さ
・コロナ禍と、自分らしい働き方の実践
<質疑応答>
Q.利用者増を受けて事務所の広さなど課題を感じていることはあるか?
A.テレワークなど環境を整えることで現在はうまく回っている。
Q.今後民宿でお客様を受け入れる際に、眠れないといった相談を受けたらどうすれば良いか?
Q.身近で困っている人がいた場合、どういったところに相談をすれば良いか?
A.心療内科で、投薬治療も含め相談することをお勧めする。
Q.知人は、人と一緒にいると平気だけど、一人になると焦ったり浮き沈みが激しくなったりする。
A.予防・傾聴のセミナーも開催しているので参加してみてほしい。
Q.近くに軽く引きこもり状態の人がおり、社会的なルールが守れなかったりする。どう接したら良いか?
A.その人が何に困っているか、何が得意で何が苦手かを書き出して整理し、本人と周囲とが認識を共有することが大事。そこからどうフォローするか、分担できるかを明らかにしていくと良い。次に専門家の支援を仰ぐことも有効。
講演では、坂部さんの半生をダイジェストで伺ったことで、現在の事業に寄せる想いや熱量も大変よく伝わってきました。これまでなんとなく聞き流していたA型、B型といった自立支援施設の分類、福祉制度などについても、今回解説頂けたことでより身近なものとして理解できました。
講演後には質問や感想も活発に出ていましたよ。講演してくださった坂部さんからは「今回のような内容で、皆さんに興味を持ってもらえのるだろうかと疑問や不安があったけれど、質問も多く興味を持ってもらえて非常に嬉しかった」と話されていました。それに対して船井会長が「自分自身も生きづらさや難しさを感じていたりする。まり子さんがふくむすび会にいてくれてよかった」と返されていましたが、他の会員さんも同様に感じたのではないかと思います。
「自分たちも似たような生きづらさを感じることがある」「障害の有無など明確な区別があるのではなく、みんなグラデーションの中にそれぞれが立っているのだと思う」といった会員さんの声には、私も大変共感しました。資本主義や科学が優位の社会に生まれ育つ中で、私たちが教科やビジネスについて学ぶ機会は多いですが、自分とは何者でどう生きるかということ、自分をそのまま受容すること、他者と調和の中で生きることの本質などを学び考える機会は、圧倒的に少ないように思います。アルフレッド・アドラーは、カウンセリングを「再教育」と定義したと言います。まり子さんがカウンセリングで行なっておられる、「個人の特性や得意・苦手をそのままを肯定し、協働や共生に向けて必要な前提や配慮を整理していく」という「再教育」のプロセスは、病名や障害者手帳を与えられた人たちだけでなく、「普通」とされている私たちや未来の世代にこそ必要だと思いました。
ここからは、6月例会から各会員がSDGsをどう事業に活かしていくか、どう考えていくかを、会員同士でブラッシュアップする時間となりました。
興味がある方は、次回8月例会にご参加ください(会員無料、非会員1,000円)。
<SDGs掘り下げフィードバック>
ブレイクアウトルームに分かれて、2分以内で「エレベーターピッチ」と呼ばれる形式で自分の事業を紹介し、会員同士でフィードバックを行いました。自分の事業のwhy(なぜ、どんな原体験からそれをしたいと思うのか)を分かりやすく伝え、相手に共感してもらえるかどうか、ピッチの構成がスムーズかどうか、誰に向けてピッチをしているか、といった観点で、今後も深掘りを継続していきます。
(グループに分けでエレベーターピッチをしました)
コメントをお書きください